それは、ある研究会での(城山英明)先生おご発言である。その日のテーマは、原子力政策だったと記憶している。詳しい文脈は覚えていないが、原子力安全規制に携わる人員は日本に比べてアメリカの方が圧倒的に多い。その意味でアメリカは案外大きな政府である、という先生のご指摘が筆者には大変印象的だった。気になって調べてみると、原子力行政に限らず、アメリカは日本よりも公務員が多い国だった。それまで筆者はアメリカの方が官僚制の権力が弱く、小さな政府なのではないかと思っていただけに、この事実は極めて反直観的であった。そして、なぜ日本では公務員がこれほど少ないのか、その理由が知りたくなった。(294p) これはこの本の「あとがき」に書かれている文章ですが、確かに「日本の公務員はアメリカよりも少ない」と聞くと、「えっ?」と思う人も多いでしょう。アメリカは「小さな政府」であり、それに比べると日本には肥大化した官僚機構
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