この1年間、西側諸国はロシアに制裁を科し、ロシア産石油・天然ガスの調達を削減し、ウクライナに軍事支援を行ってきた。一方、世界最大の民主主義国でありアジア最大の米同盟国の1つであるインドは、こうした措置を一切取っていないばかりか、苦戦する自国経済をてこ入れする好機とみて安価なロシア産エネルギーを購入している。だが、驚くべきことにジャネット・イエレン米財務長官は、インドがロシア産石油を最大30%以上の大幅な割引価格で入手している点を指摘し「望むだけの石油を購入することを歓迎する」と述べた。 この米国の政策の背景には重要な要素が複数ある。まず、インドは米国と渡り合える民主主義国であり、米国が21世紀以降の主要競合相手である中国に対抗する上で必要な存在だ。したがって、ロシアとの協力を強化しようが、インドが米国の同盟国であることのほうが重要となる。第2に、アジア市場はロシアにとって欧州市場の代わりに
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