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ブックマーク / medt00lz.s59.xrea.com (14)

  • 太い言葉のこと - レジデント初期研修用資料

    田中角栄の秘書だった早坂茂のお父様が亡くなったとき、角栄はすかさず100万円を包んだ封筒を早坂に渡して、 こんな言葉とともに、彼を故郷に送り出したんだという。 坊主は金さえドカンとやれば何でもしてくれる。 おまえは19で国元を離れた身だ。一切合切、お袋さんやお姉さん、番頭の指図に従え。口出しするな。 通夜の客にはひっくり返るほどごちそうしてやれ。オヤジの功徳になる。 直会を寺でやるなら部屋をがんがん暑くしろ。客に風邪を引かせるな。 ガス中毒になっても困るから、外の空気も入れろ。 女は帰りに花を持っていく。その新聞紙も用意せよ。 葬式をきちんと仕切れば、世間もおまえを一人前と認め、扱ってくれる。 まだ若かった頃の「突破者」宮崎 学 氏が、当時対抗していた新左翼学生の集会を 襲撃するとき、部下であった学生に、こんな指示を出したんだという。 突入したらまず石を投げろ。 投げ終わっ

  • レジデント初期研修用資料: 症例報告のソーシャルブックマーク化

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 水痘肺炎の患者さんのこと 水痘肺炎の若い方を診療する機会があった。 水痘の発疹が全身に出ていて、40度以上の高熱があって、単純写真真っ白。 そのレントゲンを見た主治医の頭も、同じく真っ白。 成人の水痘は肺炎を合併する可能性があることは知っていても、 当にそうなった人をみたのははじめて。 とにかく具合が悪くてすぐに入院、空気感染だから個室隔離、ナースのシフトを 水痘既感染者に限定してもらって、とりあえずゾビラックス点滴。 そこまでは手持ちの知識で時間稼ぎ。 状態は相当悪くて、このまんま何もしないで診るの無理。教科書調べても、水痘肺炎のことは ほとんど書いていなくて、ゾビラックスと水痘免疫グロブリンと、あとは致命率が高いことと。 経験の裏づけが

  • 良医という普通の存在 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 以前のケースも今回のケースも、医学的にはたしかに回避不可能なケースで、 それを結果責任で刑事告発されてはたまったものではないのだけれど。 一方で、同様のケースにあたっても何とかしてしまう医者というのも世の中には 多分いて、そういう人達はどんな状況にあっても、やっぱり何とかしてしまうんだろうな、 という予想みたいなものはある。 鉄火場を生き延びる3つの技能 どういうわけか昔から僻地や激戦地に一人で飛ばされる機会が多くて、 「生き延びる」ということを考えることが多かった。 どんなレアケースの急変にあたっても、まるでいつもの外来をこなすように淡々と乗り越えて しまったり、通常なら「奇跡」と呼ばれるような難しい手技を、まるで予定されていたように こな

    cine-paranoia
    cine-paranoia 2006/02/28
    「良医」=「死にたくなければなってはならない」 うーむ・・・
  • 旅する医者の3つのスタイル - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 医者は旅をする。 研修中のローテーション。大学を出てからの地方巡業。開業。部長と喧嘩。 アフガニスタンで井戸を掘るため。流れ着いたらずっとそこにいる奴。すぐいなくなる奴。 「旅人」には2種類ある。慣れた旅行者と、不慣れな人と。 不慣れな医者の「旅」はたいていろくな結果を生まない。 初対面の人間同士。誰とでもすぐに打ち解けられるほうが異常だ。 移動先のスタッフとトラブったり。上司と上手く行かなかったり。 実力的には問題なくても、上手く行かない理由なんて無数にある。 誰でもどこかで腰を下ろす。「お呼び」がかからなければ、動こうにも動きようがない。 年をとるとともに、雇用のコストは増大する。移動の閾値が高い医師は、 どこかの時点で定住して、そこでず

    cine-paranoia
    cine-paranoia 2006/02/27
    面白い分類
  • 地域医療はどう変わるのか - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 福島県の産科の先生が刑事告発された。 状況は2年前と同じだ。 理不尽な理由で刑事告発がなされ、みんなが あちこちで憤りを表明し、支援の輪が広がり、意見を発信できる医師は 誰もが悲惨な未来を予想して、そのあと何もなかったかのように日常の仕事へ戻って行った。 あれから2年。件の先生が「クロ」なのか「シロ」なのか、その結論すら司法はまだ出していない。 結局何も変わらなかった。 相変わらず救急は寒い状況。むしろ前よりひどい。子供は相変わらず一人で転ぶ。 綿菓子には割り箸こそ用いられなくなったけれど、子供が持つような尖ったものは、 相変わらずレントゲンには写らない。造影剤でも混ぜてくれれば、少しは違うのに。 事件はおきた。子供が死んだ。医師が一人、実質

    cine-paranoia
    cine-paranoia 2006/02/27
    いがみ合わせるところなんかなんだかイギリスの植民地政策みたいだな、それはおいといて後半は同意できる
  • 全体と部分の最適化 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 帳尻あわせの技術 職人芸というのは、つまるところ帳尻あわせの技術だと思う。 例えば法隆寺。もう1200年以上も経っている最古の木造建築物だけれど、 ハイテクなど使っていなくてもちゃんと建っている。大工の職人芸のなせる業だ。 法隆寺が名建築なのは論を待たないけれど、これが「精密な」建築物なのかというと、 そうでもない。1200年もの間もっているのだから、もちろんその作りはいいかげんなものでは ないけれど、細部はけっこう適当なものらしい。 例えば礎石。神社仏閣は、基的には天然石を使う。天然のものだから、水平はきれいに出ない。 礎石をおいて、柱の底を石の表面と同じ形に削って、ただ乗せるだけ。固定もしない。 遊びだらけの構造。どの柱も、正確には垂直

    cine-paranoia
    cine-paranoia 2006/02/11
    遊びの重要性とそれをまとめ上げる技術、数値化されにくいから評価されにくい
  • 専門医志向と「即戦力」志向 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 専門医を目指すのは楽しいのだろうか? 始めはかけだし、使いっ走り。 そのうち手技を覚えて、自分でも何か「やれる」ことがだんだんと増えてくる3年目。 一人立ちを始めて、「やれる」と思っていたことが、実は全くイけていなかったことに 気がついて、泣きそうになりながら勉強を始める7年目。 勉強のモチベーションというのは、「あいつは使える」という周囲からの賞賛だった。 患者さんをよくしたいとか、医学の進歩のためとか、そういったお題目はどうでもよかった。 結果としてそうなることはあっても。 専門家の抱えるジレンマ 「使える奴」という声を集めるためには、その状況へ最適化しなくてはならない。 ところが、同じ状況に最適化しすぎてしまうと、もはや「使える」な

    cine-paranoia
    cine-paranoia 2006/01/29
    極端にならなくてもいいと思うけど、そうなれないやつは結局「使えない」のだろうか
  • 真空の生む大きな力 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 平等で無気力な集団 「市民」とか「みんな」とか、大人数の集団に何かを訴えて、力をかしてもらうのは難しい。 大人数の集団に何かを訴えるなんて、空気に突っ込んでいくみたいなものだ。 何かをやろうとして助けを求めたところで、みんなよけるだけで何も変わらない。 体育会とか企業とか、統率のとれている集団ならば、「頭」にあたる人がいる。 何かを訴えたければ、その人に訴えると効率がいい。 人が持っている力や人望、機会や運命といったものは、来が不平等に分配されているものだ。 人は集まって組織を作る。その中には頭になる人もいれば、筋肉や皮膚になる人もいる。 生物が物をべるとき、「今べたものは皮膚にしよう」「これは血管に」などといったことは考えない。 組織

  • 削る研修と育てる研修 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 民間病院の臨床研修 1年生の頃はひどかった。 入職してから、オリエンテーションに10日間。そのあとは、右も左も全く分からない病棟でいきなり30人持ち。 できるわけが無い。患者さんの把握をしようにも、名前一つ満足に覚えられない。新患など入った日には、残りの患者は放りっぱなしだ。何か頼まれたって新人には覚えられるわけがないし、 メモのとりかたや病棟での行動のしかた、トイレにいくタイミングや事の時間、大事なものは 誰一人として教えてくれない。 新人は怒られる。理不尽な話だ。いくら怒られたって仕事はできないし、頼まれたオーダーはこなせない。 「もう駄目、辞める」と誰もが思う。実際辞める奴もいた。 それでも、もう駄目だ…と思った頃、その日は誰もが会っ

  • 情報伝達の遅延と多様性 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 勤務先で変な風邪が流行っていて、この2日間身動きとれず。気管支からやたらと「いい痰」が出て、 培養に出したらなんか生えるんじゃないかと…。 エンダーのゲーム 寝てばっかりだったので、エンダーのゲーム というSFを読んでいた。 内容はありきたりの宇宙戦争もの。 天才少年・少女を集めて軍人として育て上げ、司令官を養成するバトルスクール。 敵は、バガー。昆虫型の異星人である。 ハインラインの「宇宙の戦士」、ジョー・ホールドマンの「終わりなき戦争」とも似た世界。 違うのは、あまりにも主人公が子どもであることだ。 主人公のアンドリュー・エンダー・ウィッギンは、6歳でバトルスクールに入る。 彼は、産児制限の厳しいこの世界で許されざる「サード」3番目の子

  • 専門性のジレンマ - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 専門医栄光の時代 どうせ医者にかかるなら、ちゃんとした専門医にかかりたい。現在ほとんどの人がこう考えている。 医者も患者も、専門医を目指す時代だ。 誰もが専門家を目指す。卒業当初の医者は、誰もが「一般医」という名の、 何も出来ない人間に過ぎない。誰もが「何者か」になりたい。ただの人では終わりたくない。 目標とするのは専門医だ。専門医になれれば、自分は何かの分野の 第一人者になれる。専門医になれれば、きっと幸せになれる。 医師は何かの分野の専門家になるために自分を磨き、修行する。 専門医になるのは大変だ。莫大な勉強量、症例の多い、忙しい病院でのハードなトレーニング。 専門医は、長い修行時代の代償として、周囲からの名誉と賞賛とを得る。 専門医の時

  • 頑張らない選択肢が大学を滅ぼす - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 議論なんて下らない。 どうせ結果は最初から決まってる。 声の大きい人たちは、議論が強い。結局はいつも彼らの言いなりにしかならないし、かといって喧嘩をするのも大人気ない。勝ち目のない議論に参加して、あとから目をつけられるぐらいなら、黙っているほうがいい。 ただ黙っているだけの人間にも、状況に変化をおこす方法はある。「みんな」で何もしなければいい。 何かの行動をおこすためには、エネルギーがいる。声をあげる元気も無いのに、行動などおこせるはずも無い。それでも、「何もしない」ことはできる。一人が放棄したところで、代わりはいくらでもいる。でも、「みんな」で何かを放棄したら、それを守る側の連中はきっと困る。 みんなという共同体は、かつては幻想にしか過ぎ

  • 病院での正しいプレゼンテーション - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 医者の世界というのは、つまるところ個人営業の自営業者の集まりで、予算も企画も、自分の判断でやりたい放題。自己の能力の範囲でやれることならば、他人に自分の考えを分かってもらう必要も無い。 医者同士、あるいは他の病棟スタッフ等の交渉の際に必要なプレゼンテーションの能力というのは、他の業種のそれとは少しだけ異なった力が要求される。 美麗なスライドを作る必要など、全く無い。論理的な話の流れも、また必要ない。極論すれば、プレゼンテーションを通じて他者を「説得する」必要は、病院内で仕事をしている限りは全く無い。 上下関係の厳しい社会。下のミスはそのまま上司の責任になり、一方上司からの命令は絶対。治療方針が割れたときには必ず上司の判断が優先されるので、プレ

  • レジデント初期研修用資料: 知識の渋滞を抜け出すために

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 知識習得の高速道路化という現象 インターネットの普及や、安価に使える論文データベースの普及に伴い、他の人の知識の成果物の参照が、極めて容易になった。 他の人の技術を自分の参考にするのが容易な業界、とくにプログラマーの業界では、このインターネットの普及により、学習の高速道路化という現象がおきている。 インターネットを経由すれば、他人のコードを簡単に読むことができます。参考にすべきコードはいくらでもあり、その開発者が海の向こうにいようと世界の裏側にいようとわずか数秒でアクセスすることができます。 最高レベルのコードを参考にコードを書けば、自然と最高レベルに近づくのは当然のこと。情報へのアクセスに実質的な限界がないネットの世界では、よりクオリティ

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