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ブックマーク / wallstny.exblog.jp (11)

  • 石油価格上昇の犯人? | ウォールストリート日記

    私はコモディティについての専門知識は全くありませんが、数年来上昇を続けている原油価格は、2008年に入っても上昇を続け、年初に$100を早々に突破して、7月現在では$140台に至っています。 チャートを見ると、原油価格の上昇は、まさに「バブル」と言える勢いだと感じられるかもしれません。 実際のところは、インフレ調整ベースで価格を見る必要があることや、ドルの下落が原油価格の上昇幅を誇張している(ユーロ建てでは上昇率はさほど高くなく、ドル資産の下落/インフレのヘッジとして、コモディティ投資が加熱している)との指摘もあるようです。 とは言え、原油高の影響が世界経済全般に及ぶようになり、アメリカでもガソリン価格がちょっと前の4倍近い水準にまで跳ね上がっている現状を受けて、「犯人探し」が加熱していると言えるかもしれません。そして、中でも最もよく聞かれる議論は、米民主党のHillary Clinton

    石油価格上昇の犯人? | ウォールストリート日記
  • ヘッジファンドは「嘘の牙城」? | ウォールストリート日記

    4月9日のBloombergに、「Hedge Funds Come Unstuck on Truth-Twisting, Lies」(「ヘッジファンドはうその牙城か、運用能力の再検討を」)というコラムが載っていました。ご覧になって色々なご感想をお持ちの方も多いかと思いますが、内容はざっくりとこんな感じだったと思います。 >過去10年ちょっとの間、ヘッジファンドは多くの資金を投資家から集め、高い成長を遂げて来た。その理由は、高い成功報酬フィーに強くインセンティブ付けされた優秀な運用担当者が、上げ相場では高いリターンを上げ、下げ相場でも損失を回避する、という分かりやすい「売り文句」のおかげだった。 >しかし実態は、08年の第一四半期には多くの大手ヘッジファンドが破綻し、業界全体のリターンも過去6年で最悪となった。98年に破綻して世界を震撼させたLCTMを率いていたJohn Meriwether

    ヘッジファンドは「嘘の牙城」? | ウォールストリート日記
  • Bear Stearns:運命の5日間 | ウォールストリート日記

    この記事は、「この救済劇が、金融システムを救うヒーロー的なものなのか、ウォールストリート流の『ぼったくり』なのかは分からないが、ウォールストリートとワシントンの最有力者が動いてアレンジされたものであることは間違いない」と述べた上で、その週にあった動きを追っています。 それによると、Bearに異変が起こっているとの噂がNYTに届いたのは、水曜日だったそうです。同社株は月曜日には既に$62まで11%下落していますが、水曜日の日中に幾つかの金融機関やヘッジファンドが、Bearの経営状態に対するネガティブキャンペーンを始めたと、この記事では書いています。 Bearがヘッジファンド業務を後方支援する「プライムブローカー」最大手の一つであり、また巨額のデリバティブ取引のカウンターパーティであったことは以前にも書きましたが、水曜日に出て来た噂には「Bearは潰れるかもしれないので、もう誰も同社とは取引し

    Bear Stearns:運命の5日間 | ウォールストリート日記
  • ウォールストリート「危機の時」 | ウォールストリート日記

    昨今アメリカは、07年前半までの好景気が嘘のような、信用収縮、株価の暴落、金融機関の破綻と言った「金融危機」と呼ぶべき状況の真っ只中にあります。そのような状況を受けてBusiness Weekやその他の金融メディアは一斉に、今回の危機は「大恐慌以来で最大の危機」だと言っています。 しかしそうした話を聞く度に「またか」と感じるのは、私だけではないかもしれません。 ウォールストリートでの仕事には、98年から係っていますが、10年足らずの間に、「98年のロシア危機(LTCM破綻)」、「00年のネットバブル崩壊」、「01年の同時多発テロ」、そして「サブプライム危機」と、市場の暴落を四度も目にしました。 そのたびに金融業界関係者やメディアから「こんなにひどい状態は見たことがない」、「過去20年で最悪の状態だ」、「アメリカ金融帝国の崩壊だ」との声が聞かれ、市場は株式などのリスクアセットの投げ売りをして

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    citora
    citora 2008/03/24
  • ウォールストリートの遠い夜明け? | ウォールストリート日記

    2007年はサブプライム問題を発端としたクレジットクランチの発生により、LBOブームを謳歌していたウォールストリートにとっては、「春」の終焉が告げられた年となりました。しかしクレジットの問題が金融機関だけに留まらない事実が徐々に明らかになってきて、年明けのウォールストリートには「夜明けが更に遠のいた」と言った暗いムードが漂っています。 そもそも年末辺りから、投資銀行のボーナスが何%カットされたという話題や、どの部門で何人のクビが切られたという話題が、頻繁に聞かれるようになっていました。 しかし12月時点ではCNBCなどでも景気の先行きに楽観的な見解が多く聞かれ、また年明けの株式相場も、二週間くらいは暴落と言えるほどではなかった気がします。 しかし1月15日にCitigroupとMerrill Lynchが、昨年末に続いて追加で巨額の資金支援を外国の投資家から仰ぐことが発表されると、「状況は

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  • 「黄金時代」の終焉 | ウォールストリート日記

    12月28日のBloomberg Newsによると、2007年上期に$336.4bn(約37兆円)に上ったLBOは、8月に発生したサブプライム問題とクレジットクランチにより、下期には$101.9bn(約11兆円)まで落ち込んだそうです。 LBOの落ち込みは、プライベートエクイティ業界のみならず、その資金調達案件を引き受けることで非常に潤っていたウォールストリート(証券業界)も直撃しており、サブプライムによる損失ばかりが注目されがちですが、各社ともかなり苦しい状況にあるようです。 具体的数字を見てみると、現時点で銀行・投資銀行各社は、未販売のデットを、レバレッジドローンで$161.9bn(約18兆円)、ハイイールド債で$69.6bn(約7.7兆円)抱えているそうです。また今後に発生する予定であるバックログについても、Bloombergによると、Citigroup、Goldman、Morgan

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    citora
    citora 2007/12/31
  • リクイディティの逆流? | ウォールストリート日記

    8月に入って世界中の金融市場で混乱が続き、12日の週には世界中で株価の大幅下落が起こりましたが、この現象を端的に言うと、溢れるリクイディティの大海の片隅でサブプライムという地震が発生し、それがボラティリティという津波となって世界中の市場を巻き込んだ状況と言えるかもしれません。 この場合のリクイディティは、市場の流動性という意味ではなく、「信用拡大」と置き換えることが出来る気がします。ここ数週間の動きは、その信用が急速に収縮する兆しを見せ、まさに「リクイディティの逆流」とも言える現象を引き起こしたと言えるかもしれません。 このような混乱が発生すると、金融関係者から「想定外の『Perfect Storm』だ」などといったコメントが出て、市場暴落の恐怖を助長しがちですが、私自身、その全く同じ台詞を、過去10年で少なくとも2回は聞いたことがある気がします。そう考えると昨今の混乱状況も、単なる市場の

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    citora
    citora 2007/08/20
  • ウォールストリートの暗雲 | ウォールストリート日記

    このブログは、アメリカ経済が好況に沸き、バイアウトブームの真っ只中だった2005年にNYの投資銀行で働いていた頃に書き始め、それから何かこのLBOブームを支えているのかや、いかにウォールストリートが潤って来たか、そしてここ半年位はバブル気味であったデットマーケットについて、色々とコメントをしてきました。 LBOは、企業買収(エントランス)時点では安価な資金調達を可能とする強固なレバレッジドファイナンスマーケット、企業売却(エグジット)時点ではM&AやIPOを含む株式市場の強弱によってリターン(IRR)が大きく左右される、典型的なシクリカル事業であることは、いつも書いている通りです。 レバレッジドファイナンス市場は、ここ数年の世界的な流動性の高まりや歴史的低水準のデフォルト率に支えられて、極めて有利な買収資金をLBOファンドに提供して来たと言える気がします。 また株式市場も、上場株式全体の1

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    citora 2007/07/28
  • 投資ファンド専用の株式市場? | ウォールストリート日記

    最近FortressやBlackstoneと言った大手オルタナティブ投資ファンドの株式上場のニュースが続いていますが、そんな中でGoldman Sachsが、今月にもユニークな市場の立ち上げを計画しているそうです。 5月10日のWSJや5月11日のLA Timesの記事によると、この市場はGS Tradable Unregistered Equity OTC Market(略してGSTrUE)という名前だそうで、何と発音するのか分かりませんが、オルタナティブファンドなど未上場企業の株式を売買対象とし、市場参加者をプロの投資家に限った市場だそうです。 詳しいことは分かりませんが、この市場によって投資ファンドはIPOをすることなく株式の売却が行えるようになるそうで、また市場参加者も、QIBと呼ばれる適格機関投資家や富裕層といった、いわゆる現在までのオルタナティブファンドの投資家に限られるようで

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    citora
    citora 2007/05/14
  • ヘッジファンドの巨額損失 | ウォールストリート日記

    今やグローバルファイナンスの一大勢力となったヘッジファンド業界は、金融関係者やMBAの学生の間ではポピュラーになりつつあるものの、一般の間では「大手」と言われるファンドの名前すら全く知られていないほど、ある意味マイナーな業界です。 そんな業界において、アメリカで最大手の一つと言えるAmaranth Advisorsが、天然ガスの先物取引での失敗により、$3bn(約3,500億円)超という巨額のロスを出した、と言うニュースが、ここ数日ウォールストリートを駆け巡っています。 Amaranthはヘッジファンドのメッカであるコネチカット州グリニッヂに拠を置く2000年設立のファンドで、運用資産額は$9bn(約1.05兆円)と言われています。私が前職での経験から知っている限りでは、同社の投資戦略は「マルチストラテジー」と呼ばれるもので、株式ロングショートも転換社債アービトラージもグローバルマクロも

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  • ヘッジファンドの運用スタイル | ウォールストリート日記

    先日のブログの中で、ヘッジファンドを世の中に広く知らしめたのが「グローバルマクロ」と言う投資手法であったということを書きました。この手法は、マクロ経済の中で為替や金利などに何かおかしな状況が発生している際に、それを修正するような「攻撃」をしかける、ディレクショナル(一方向)のリスクを取る投資手法です。 この手法は、George Sorosが1992年に欧州の通貨統合を控えて管理相場下に置かれていたイギリスポンドに対して多額の売り浴びせを行い、それに対抗して為替介入を行ったイングランド銀行(写真)を屈服させて変動相場制に追いやった事件や、1997年にドルとの連動為替制度を採用することで実力以上に過大評価されていたアジア通貨を売り浴びせ、アジア通貨の暴落を伴う通貨危機を招いた例などで知られています。 ただ実際には既に衰退したこのスタイルはヘッジファンドの投資スタイルの一つでしかなく、現在ヘッジ

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