2016年の興行収入では、日本映画がさらに洋画を突き放した1月24日に、日本映画製作者連盟が2016年の映画興行収入の集計を発表した。全体で2355億円、そのうち邦画が1486億円で63.1%、洋画が869億円で36.9%。上のグラフからもわかる通り、全体として格段に伸びた上に、邦画が洋画に大きく水をあけている。もちろん、「君の名は。」と「シン・ゴジラ」が牽引役となり市場を引っ張った結果だ。 日本の映画興行市場はこの20年で大きく軸が動いた。90年代、邦画は洋画に押されて弱くなる一方だった。当時はハリウッド映画がデートムービーに選ばれ、邦画は「ダサい」「暗い」と言われて映画通しか見ないマニアックな存在だった。ところが98年に「踊る大捜査線」がドラマから映画化されて驚くべき大ヒットとなった。それ以降、徐々に邦画が浮上し、2000年代半ばに洋画と逆転したのだ。 2010年には「アバター」など3