「ゾンビもののよさ」のひとつは、愛する人が感染者になってしまうという恐怖にある。ゾンビになってしまえば元には戻らないどころか、人間を襲う恐ろしい生き物になってしまうのだ。自らの手を汚して愛する彼や彼女がゾンビになるのを防ぐか、愛する人の手によって殺されるのか、あるいは何もしてやれないのか。その選択だけでひとつのドラマになる。 一方、まったく違うよさもある。「人間なんてクソ喰らえ」と世界を呪っている人にとってはゾンビの来襲はある意味で福音であり、ムカつくあいつも見知らぬあいつも殺していいのである。そう、心地よく殺して許される存在もまたゾンビなのだ。 このようにゾンビの魅力にはまったく正反対の方向性があるのだが、そのふたつを両取りしようとしたゲームもある(意図してなのかは知らないが)。それがいまから語る『アンダイイング(Undying )』だ。 「ゾンビになりかけている母、残される子供」という
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