医師会長選挙への影響を最小限にとどめるため事件の矮小化を図ろうとした鹿児島県医師会の池田琢哉会長周辺と「警察一家」の体面を守ろうとした県警幹部――両者の思惑が一致した結果が、強制性交事件のもみ消しと、これを良しとしない関係者による捜査情報漏洩だったとみられている。時系列に従って事件経過を振り返ると、医師会側が早い時期から「合意に基づく性行為」だったと強弁した裏に、事件のもみ消しを図ろうとした県警の歪んだ思惑が働いていたことが分かる。 ■事件化前、中央署に出向いていた“わいせつ職員”と警官の父親 事件の検証をするにあたって、関連する事項を時系列で表にまとめた。 強制性交事件が起きたのは2021年9月。被害を知った女性の雇用主が県医師会の男性元職員(2022年10月末で退職。本稿では「男性職員」とする)を呼んで事実関係の確認を行ったのが同年12月1日だ。その4日後の12月5日、男性職員は被害女