万城目 僕は大学生の時に『姑獲鳥の夏』を友人から、「めっちゃ面白いから、とにかく読め」と言われて、読みました。まさかこんな形でお会いできる日が来るとは思いませんでした。 京極 いや、僕も万城目さんの作品はエッセイ以外は恐らく全部読んでますからね、今日は一読者として緊張しています。 万城目 なんと……。ありがとうございます! 大学の時に読んで、とにかく分厚さに驚いたんですけれども、人間がこんなことを、こんな分厚いボリュームを使って論理的に物を考えられるのかと圧倒されました。 京極 下手だから長くなるんですよ。でも、万城目さんみたいな書き方は僕にはできないだろうから、ちょっと憧れますけどね。 万城目 え、どのあたりがですか? 京極 たとえば、僕は「お化けの人」と思われてるわけです。現在、この版元で書かせてもらっている作品(週刊新潮連載「ヒトごろし」)なんて、まるでお化け関係ないんで