起きたことのあらましをひとまずまとめるのがこの手の文庫解説の流儀なのかもしれないが、そのまとめはしたくない。頭から最後まで読んでもらわなければいけない本だから。簡略化すればこぼれてしまう。 (伊藤詩織『Black Box』文春文庫、2022) こんばんは。年末に映画『Black Box Diaries』を観ました。監督は『Black Box』の作者であるジャーナリストの伊藤詩織さん。編集は『小学校 〜それは小さな社会〜』で一躍注目を集めた山﨑エマさん。観た感想はといえば、 うん、予想通り。 旅にたとえるなら、すでに写真で見慣れた景色を実際にたどっていくような、そんな感じでした。なぜそう感じたのかといえば、上映前から賛否両論が渦巻き、全方位的に話題になりすぎていたからです。ブラックボックスであるはずなのに、むしろ最初から中身が見えている、 ホワイトボックスのよう。 もちろん、だからといって映

