どれもあくまでパーソナルな工夫ですので、普遍性はないかもしれません。症状を言語化するときの言葉選びにもその人の工夫があらわれますから、病気や障害の説明も、その人ならではのものです。決して、それぞれの病気や障害についての客観的な説明ではありません。 ですが、文学の手前で寸止めするようなこの「N=1の科学」には、思ってもみなかったような知恵に至る扉が、あちこちに隠れているように思います。N=1の科学は、実践の中にあるからこそ、頭で理解した「あたりまえ」をすっとばす、生きることの複雑さと愉快さのようなものがつまっています。 (伊藤亜紗『体の居場所をつくる』朝日出版社、2026) こんにちは。この「N=1の科学」っていう表現、いいなぁ。前任校の「おとな図鑑」の取り組みも、具体的には、生きることの複雑さや愉快さのようなものがつまったおもしろい大人を「教材」として頻繁に呼んだ総合的な学習の時間も、間違

