近年、東京や大阪など大都市部を中心にホテル不足が叫ばれている。主な要因は訪日外国人の増加である。円安や訪日ビザの緩和などの後押しにより、2014年は過去最多となる約1,341万人の外国人が日本を訪れた。観光庁の調査によれば2014年の外国人延べ宿泊者数は4,482万人。2011年(1,840万人)と比較すると2.4倍にも急増したため、ホテル客室の供給が逼迫したものと見られている。客室不足は高級ホテルのみならず、安価なビジネスホテルも同様である。外国人旅行者にとって、日本のビジネスホテルは安全で清潔との評価が高いためである。 日本の観光産業を潤わせる“特需”である2020年の東京オリンピックに向け、ホテル業界では外国人旅行者を呼び込むための動きが活発化している。しかしながら、”特需”はあくまでも”特需”であり一過性のものである。果たして、オリンピック後の需要はどうなるであろうか。魚の目を持つ