京都ではお正月に家族や親戚が集まったとき、昔から「パサン」というお菓子を食べるらしい。おせち料理やお雑煮などをみんなで食べ終えた後、お茶を飲みながら遊びにきた子どもたちなどにふるまったり、みんなでつまむカジュアルなおやつ。 この「迎春用パサン」、一見、和風クッキーのような見た目で、「御所梅パサン」と 「舞鶴パサン」の2種類がある。 製造しているのは、京都・二条城近くで焼菓子の製造を続けて創業80年以上になるという「上田製菓本舗」。ご主人の上田昇さんに「パサン」という不思議な名前の由来などうかがってみた。 「京都に特有のものというより、京都で発展したお菓子、というのが正しいかもしれません。イギリスにパシャンズというお菓子があって、文明開化の頃に日本に伝わってきたようですね。パシャンズはちょっと言いにくいから、『パサン』になったのだと思います。 上田製菓は私で3代目になるのですが、パサンは祖父