【ワシントン=山田哲朗】南アフリカの洞穴から、約6万年前のダチョウの卵に文様が刻まれているのが見つかり、英仏などの研究者が1日付の米科学アカデミー紀要で発表した。 卵の破片は270個もあり、研究チームは「人間が日常的にシンボルを使っていた最も古い証拠だ」としている。 卵の殻は、狩猟採集民だった石器時代の人間が、食べ物や水の容器として使っていたらしい。これまでも加工された貝殻や骨などが見つかった例はあるが、一か所で大量に発掘されるのは珍しい。 2〜3センチの大きさの破片には、平行線や、はしごのような格子など抽象的な文様が彫り込まれている。文様をつけることが文化として確立していたと考えられ、容器の持ち主を区別する目印になっていた可能性もある。