水曜の午後7時。自宅でテレワークしていた会社の仕事に区切りをつけ、オンライン会議システムを立ち上げると、画面の先に会社とは別の「仕事仲間」が待っていた。メンバーの1人はアフリカのタンザニアからランチタイムを使って参加している。みんながそろうと、プロジェクトをめぐる議論が始まった。 IT企業でシステムエンジニアとして働く桃原里沙さん(27)が、会社以外の「仕事」を始めたのは昨年10月。東京都大田区が募集した「副業(複業、兼業を含む)」による町工場の課題解決プロジェクトに応募したのがきっかけだ。 毎週1時間の定例会議のほか、各自がリサーチなどをしてくる「宿題」もある。桃原さんは主に土日の5~10時間をこの仕事にかける。「いろいろ調べていくと興味がわいて、関係ない情報収集もしてしまう」と笑う。 東京都大田区の町工場を視察する桃原里沙さん(右)=「ONE X」提供 入社2年目。会社員生活は、新型コ