リリース概要 大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの村上匡且教授と中部大学工学部の田中基彦教授らは、カーボンナノチューブの内部に水素化合物を充填するなどしたナノ構造体に強力なレーザーを照射すると、正に帯電したナノチューブと水素化合物が電気的に反発し合う結果、水素イオン(プロトン)が高い指向性とエネルギー均一性を持ってナノチューブの両端から射出されるという新たな粒子加速機構を発見しました。こうして得られるプロトンビームの研究は、将来、医療や産業などへの応用を目指したコンパクトな粒子線源の開発へと発展することが期待されます。 図1 「ナノチューブ加速器」概念図 研究の背景 1980年代後半のチャープパルス方式と呼ばれるレーザーパルスの圧縮技術の発明により、レーザーの超短パルス化・超高強度化が目覚ましく進展した結果、かつては実現不可能とされていた様々な物理現象が実験室での研究対象となってきて