強風の日だった。もともと予定が入っていたので、役所に出かけた。地下鉄で白い杖の人が目的地に近い出口はどちらかと言うので肩に手をかけさせて一緒に出たら、凄い風で埃が目に入る。すると「ありがとうございました。後は点字ブロックに沿って行けます。風が強いので気を付けて」と逆に気遣ってくれた。そして強風など関係ないように歩いて行った。 よく、座頭市が、この強風と砂埃では目を開けられないほどだろとつぶやき、その間に自分は進むぞと言って歩いて行くが、これを思い出した。 ところで、この時は港区にある中央労働委員会に行った。厚生労働省の下部にある組織だ。建物は芝公園だから東京タワーにも近い。訴訟とは別の労働裁判とでもいうべきものだが、地方から来た人たちは新幹線を使うためか浜松町駅を利用していたが、もっとも近いのは地下鉄東西線の御成門駅である。目の前に出る。 この建物も裁判所と同じで、出入り口に金属探知機が設