小学校の時に担任だった教師の女性は、普段から、自分が気にいる児童と自分が気にいらない児童との差別が激しくて露骨だった。 ところが、この教師は学期の最初に「もっと、みんなにとっていい先生になりたいから」とアンケートをとった。そして「先生はえこひいきしていませんか」という質問に驚かされた。質問するまでもない自明のことだし、何よりその教師が意識してやっていることだった。自覚してないとは思えなかった。 この他の質問は、教師の職務とは無関係なことばかりであった。 なんでこんな空々しいことをするのかと疑問だったが、自分が気に入られてえこひいきされている児童は、えこひいきしてないと回答し、逆の児童はえこひいきすると回答したかったが、そうするとますます迫害されるだろうから、えこひいきしないと回答した。 この話を同じ組の同級生たちと話していて、みんな「なるほど」と思った。そこでみんな気づいたということだ。