今年は内外の指導者論が一段とにぎやかになる。米中露仏韓台でトップの改選・交代が行われ、日本でも民主、自民両党の党首選が秋に予定されているからだ。 暮れのあるパーティーで耳にはさんだ次の話は、指導者論の前座のようなエピソードである--。 昨年11月、麻生太郎元首相と高級官僚OBが韓国に招かれ、シンポジウムに参加した時だ。全斗煥(チョンドゥファン)時代のバリバリの反日論客が登場し、 「日韓関係はよくない。日本は『竹島なんかくれてやる』と言えばいいじゃないか」 と挑発した。麻生が応じる。 「韓国も大変だろう。ひとつ、日韓で合意して、竹島を爆破したらどうか」 「……?」 「ただし、これは、韓国の専門家に聞くと、30年前に田中角栄さんが言ったことだ」 竹島爆破を口にしたのは田中でなく、金丸信だ、いや某韓国大統領だ、と諸説ある。だが、田中に似つかわしい話、と思いながら聞いた。 ところで、リーダーの力量