2019年6月に始まった香港の反体制デモは現在も続いているが、同年11月24日の区議選で民主派が地滑り的な勝利をおさめたことを契機に、過激な行動はやや沈静化した。 著書『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』(KADOKAWA)が第50回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したルポライターの安田峰俊氏は、デモ発生から香港に通いつめて現地の情報を発信してきた。・・・が、諸事情から時機を失して発表できなかった原稿があるという。その「問題記事」を緊急寄稿してもらった。(JBpress) 風俗ビルに飲み込まれていったデモ隊の若者 香港島の目抜き通り、軒尼詩道(ヘネシー・ロード)を人波が埋めている。2019年9月15日14時30分ごろ、香港ではこの日も数十万人規模の大規模デモがおこなわれていた。 昼間の時間帯は「和理非」と呼ばれる平和的な市民デモがおこなわれ、夜になると「勇武派」と呼ばれる過激派が、警