古代の人びとは大地といかに関わり、どのような意識を形成していたのか。国(くに)魂(たま)・開発・所有と売買・禁(きん)忌(き)・天皇という五つの視点から、地方と都の人たちの大地をめぐる豊かな営みや、土地に対するユニークな信仰を追究する。大地の神霊を畏怖する「未開」な心性と「文明化」との葛藤の過程をたどり、日本人の宗教的心性のひとつの根源を探り出す。 〈編集者の眼〉 古代の人びとと大地との関係はいかなるものだったのか。それを、「国魂」「開発」「所有と売買」「禁忌」「天皇」のテーマから解き明かしていくのが本書である。 一見、各テーマは個別的な内容にも思えるが、視点は通底されている。それは、生産と呪術、開墾と神霊、土地所有と宗教性、都市化と大地の祟り、権威の確立と神秘性といった、社会の進展とその中で存在していた言わばマジカル的な要素という、相反するように見える二つの事柄に着目して語られていくこと

