筑摩選書『天皇と戸籍』より序章を公開✑ 遠藤 正敬 「日本人」であることを“証明”する戸籍。しかしながら、「日本」の象徴とされる天皇家には戸籍がありません。一体、なぜでしょうか? 天皇制と戸籍、双方とも「血統」を至上の価値とし、「家」の継続をその根幹に据えてきました。天皇制と戸籍の関係をあぶり出すことで「日本」を問い直した『天皇と戸籍』、その序章(一部)を公開します。ご一読ください! (前略) 天皇と戸籍をめぐる「日本」の日常的風景 日々、我々は時間を気にして生きている。分刻みで書かれたスケジュール表を持ち歩いている人もいれば、すでに一年後の予定までカレンダーに書き込んでいる人もいる。それらの人々は、元号という日本独自の時代区分が天皇の代替わりとともにあることを、換言すれば、天皇によって日本の ”時代区分” が左右されることについて、何を思うであろうか。 天皇が病に伏した時や、皇族が婚姻や

