ワーキングプアとよばれる働く貧困層の増大が、深刻な社会問題となっています。世界のなかでも発達した資本主義の国日本でなぜ貧困が深刻化するのか、どうしたら打開できるのか―日本共産党綱領の目で見るとくっきりしてきます。 壊されたルール 「現代の奴隷労働」 「これは現代の奴隷労働です」。先に東京で開かれた反貧困集会で、日雇い派遣で働きネットカフェで仮眠をとる生活を余儀なくされた四十歳の男性はこう訴えました。 男性は今春、妻と二人で東北の農村から仕事を求め東京に出てきました。コンビニ弁当をつくる食品会社で派遣として働きます。面接のさいには勤務時間は午前零時から同六時までとの条件でしたが、現場にいくと午後十時から翌朝六時までで休憩もありませんでした。あまりの違いに四日目に妻と二人で飛び出します。東北の実家は夕食もおかゆのようにして暮らす生活で頼ることもできず、東京の街をさまよいます。二人の所持金は一万