4年にわたって孤独死の取材を続けるノンフィクションライターの菅野久美子さんが、現場で見てきたのは「個人」ではなく「社会」のいびつさでした。左遷や病気、虐待……自分の力ではどうしようもならない壁の前に崩れ落ち、立ち上がれなくなった人たち。年間3万人と言われる孤独死の中でも、ひときわ現場で目立つのは、高齢者ではなく、現役世代です。「大人のひきこもり」の最終地点とも言う孤独死。7月25日にトークイベント「おとなのひきこもりになった時、考えてほしいこと――孤独死3万人の道しるべ」を開く菅野さんに、「孤独死の現場で見えたもの」についてつづってもらいました。 大人のひきこもりが迎える最終地点 孤独死の取材を始めて、4年が経つ。 私はその間、様々な孤独死現場を訪ね歩いてきた。孤独死の現場で感じるのは、社会で崩れ落ち、立ち上がれなくなった人たちの姿だ。 年間3万人と言われる孤独死だが、ひときわ現場で目立つ
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