ブックマーク / newsweekjapan.jp (5)

  • 『ポニョ』で盛り上がるアメリカ

    での公開から遅れること1年半、ようやくアメリカで『崖の上のポニョ』が「Ponyo」というタイトルで公開されました。8月14日のリリースというのは中途半端なようですが、夏休みの大作が一段落した一方で、子供はまだまだ夏休みが続く中で「やることがないから映画館にでも」という家族連れのニーズを踏まえたということでは、配給元のディズニー気なようです。 それにしても927館という限定公開(拡大公開の4分の1の規模)でありながら、封切りのウィークエンドに360万ドル(約3億4千万円)の興行収入というのは大健闘です。例えば前作の『ハウルの動く城』は36館でスタートして興収は470万ドル止まり、アカデミー賞を受賞して「ミヤザキ」の名前を一気に知らしめた『千と千尋の神隠し』の場合は26館でのスタートで興収はトータル1000万ドル止まりだったのですから、とにかく大成功と言って良いでしょう。普通はこのぐら

  • 「海図のない航海」に突入したオバマ政権

    オバマ政権の動きに少しブレーキがかかっています。金融危機対策から国際協調主義の外交まで、公約したプログラムを次から次へ実行し、アメリカ国内外の評価も高いオバマ政権ですが、ここへ来て様々な難題にぶつかっているのは事実です。 まず外交ですが、イランの情勢が変動要素になっています。オバマ政権は、改革派のムサビ元首相を間接的に支援してきましたし、ムサビが落選するという事態もシナリオとしては想定していたと思います。ですが、選挙のやり直しを叫ぶムサビ陣営が実力行使に出るということ、そして国内の分裂が目に見える形で出てくるというのは想定外だったと思います。 当面は、アフマデネジャド政権が継続しつつも、ムサビ派の要求を受け入れて中道寄りになりという「落としどころ」を模索することになりますが、流血が全国に拡大している現状では、時間がかかることも予想されます。そうなると、中東和平のタイムテーブルも変わってくる

  • 異議あり、『貧困大国アメリカ』

    堤未果さんという方の書いた『貧困大国アメリカ』(岩波新書)というは、アメリカ社会の病理を描いたとして評価が高いようです。確かに、貧困層や移民が募兵制のターゲットにされていたり、民間会社による傭兵ビジネスが横行しているといった点に言及している部分は、私が長年JMMなどで取り上げてきたテーマでもあり、改めて紹介することには意味があると思います。 ですが、書の多くの部分については、アメリカに長く住んでいる私には、どうしても違和感があるのです。一つには余りにも「最初に結論ありき」という書き方をしているために、事実関係の説明が不十分な点が多いことです。例えば冒頭にいきなり「サブプライムローンは貧困ビジネス」だという記述がありますが、まるでアメリカ住宅ローン貧困層をい物にしているといった印象を与えるのは事実に反すると思います。 80年代から90年代初頭にかけて「住宅ローン審査における人種差

  • 『立ち直る力』と80年代NYのアッコちゃん

    それは痛々しいメディア・サーカスだった。 先々週から先週にかけて、エリザベス・エドワーズ(59歳)が自著『Resilience(立ち直る力)』の宣伝のため、テレビのトークショー、ワイドショー、ニュースショーに出演しまくり、全米の書店をめぐるサイン会ツアーに出かけた。 彼女の夫ジョン・エドワーズ元上院議員(55歳)は、2004年の民主党副大統領候補、2008年の大統領予備選では、オバマ、ヒラリーに続いて3番手につけていた。しかし、途中でレースを降りた。 彼の選挙宣伝用ビデオの女性プロデューサー(当時44歳)を妊娠させたと報じられたからだ。スッパ抜いたのは『ナショナル・エンクワイラー』というタブロイド紙で、最初は誰も信じなかったが、『エンクワイラー』は二人の逢瀬の撮影に成功、エドワーズは関係を認めた。 エドワーズは「ケネディの再来」と言われるハンサムな政治家の一人だった(他にも沢山いるから)。

    『立ち直る力』と80年代NYのアッコちゃん
  • 鳩山が勝てない「お坊ちゃま戦争」

    民主党は新しい代表に鳩山由紀夫を選んだ。この選択を民主党は後悔することになるかもしれない。 前代表の小沢一郎の「操り人形」云々というのが理由ではない。問題は鳩山由紀夫という政治家のキャラクターだ。 鳩山由紀夫と弟の邦夫(知ってのとおり、今は麻生内閣の総務相を務めている)が中心になって、現在の民主党の前身となる旧民主党を結成したのは1996年。兄弟は所属していた新党さきがけ(由紀夫)と新進党(邦夫)を離党して、民主党をつくった。 当時、民主党は「兄弟私党」としばしば揶揄された。そのイメージに拍車をかけたのが兄弟の母親の存在だった。鳩山兄弟はいい大人になっても「母親がこう言った」だの「母親が反対した」だのとしきりに口にしていた。鳩山が弟との新党結成に踏み切る上で母親に強く背中を押されたことは、よく知られている。 民主党誕生の過程では、鳩山の不手際も目立った。新党の結成を早まって発表した件では、

    鳩山が勝てない「お坊ちゃま戦争」
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