ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英・京都産業大教授が10日、同大学で5年ぶりに授業を行った。益川教授は、STAP(スタップ)細胞の論文不正問題に触れ、「理化学研究所は、論文が予算獲得に使えると思い、宣伝した。それが間違い。だから、変なことが起こった」と理研を厳しく批判した。 授業の最後に、学生から「科学者の倫理観」の質問を受け、回答する中で語った。益川教授は、研究不正はなくならないが、必ず見破られるとの見方を示した。その上で「(STAP問題も)放っておけば自然淘汰(とうた)されたのに、理研は元研究員がやったことを使えると考えた。政治的に利用しようとした」と述べた。