(写真:janneke staaks/クリエイティブ・コモンズ表示 2.0 一般) 前回のブログではベイズ統計の最大の強みである、結果の解釈が自然で直感的であるというお話をしました。今回はそれに引き続いてベイズ統計の強みと弱みの説明をしたいと思います。 ベイズ統計の強み(2):柔軟性が高い 通常の頻度論の統計では対応することが難しいときでもベイズ統計では対処可能なことがあります(逆にベイズ統計ではできなくて頻度論の統計では解決できる統計の問題はあまりありません)。我々が最も頻繁に用いる回帰分析は頻度論でもベイズ統計でも解析することができるため、回帰分析を例として用います。回帰分析ではβ係数が暴露因子とアウトカムの関連を意味するため、多くの場合、このβ係数を推定することが目的となります。頻度論統計ではデータの数(サンプルサイズ)よりも求めたいβ係数の個数の方が多いと推定できません。例えば、サ
(写真:Simon Cunningham/クリエイティブ・コモンズ表示 2.0 一般) 世の中には統計学やベイズ統計の本や記事があふれています。頻度論のフレームワークで統計学を学んだ人(「頻度論者」と呼びます)の中には、ベイズ統計は事前分布(詳しくは後述します)という主観的なものを入れ込むので「信用ならない」と言う人もいます。一方で、ベイズ統計を信じている人たち(「ベイズ論者」と呼びます)は、ベイズ統計は頻度論よりも柔軟性が高く、洗練された高度な統計学であり、より優れていると主張します。そして、ちまたにある記事はおそらく頻度論しか使わない人が書いたもの(「なんとなくベイズは苦手」)や、もしくはベイズ統計が大好きな人が書いたもの(「ベイズ最高!」)が多いような気がしています。自分が何を信じているかでどっちが正しいと思うかが決まるイディオロギーの対立に近い感じになってしまっているような印象を受
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