山形県寒河江市の建設会社が、海水の代わりに地元の源泉を利用して進めていたトラフグの養殖に商品化のめどが立ち、今月下旬から市内の旅館で提供を始める。 塩分濃度が高い温泉の湯を薄めた水槽で育ち、海を知らない“寒河江産”のフグは、天然物と変わらない歯ごたえがあるが、販売価格は約3割も安くなるという。事業を進める青山建設(同市緑町)の青山潤一社長(74)は、「いつかは寒河江の名物になり、地域興しに貢献できれば」と期待を膨らませている。 青山社長は2008年6月、栃木県那珂川町が塩分を含む温泉の湯でフグを養殖し、町おこしにつなげていることをテレビ番組で知った。青山建設のグループ会社でも、日帰り温泉施設「ゆーチェリー」(寒河江市寒河江)を経営しており、源泉の一つが塩分を多く含んでいたため、「寒河江でもできるかもしれない」と、実現への可能性を探った。 青山社長は08年10月に同町の養殖施設を見学し、町内