今書いている科研費報告書の論文で近衛政家の日記を見直す必要があってブログに久しぶりにアクセスしたら、次のようなコメントがunko氏によって付されていた。 疋は貨幣単位。例えば鎌倉時代だと1疋が30文。干鮭のことを「カラサケ」などとは言わない。そもそも「干」に「から」などという読みはない。ここは「唐の酒」と読むのが自然。無知を自分の思い込みでカバーしても正しい答えは出ないぞ。 この短い文章にこれだけのツッコミどころを詰め込むのも何かの才能であろうが、このような議論まがいがネット上にあふれているのも事実であって、ネット時代における知性の崩壊状況を如実に示す好例であるのでここで取り上げることとした。 漢和辞典を引けば「疋」と「匹」は互換性があることがわかる。「疋」の用例は貨幣単位だけでないことも分かる。つまりunko氏は漢和辞典を引くことに思いが至らなかったのである。 干鮭の訓みが「カラサケ」で