ネット以前の世界においては、コンテンツというのはモノであった。コンテンツを買うということはモノを買うということだったのである。本でもCDでもDVDでもVHSテープでもLPレコードでも、なんでもそうだ。少なくとも、消費者の意識の上では、明らかにコンテンツを買うというよりもモノを買っているという意識のほうが遥かに強かったと思う。 ところが、インターネットによってコンテンツはモノではなくなった。コンテンツがモノではなくなった、ということは、コンテンツが無くならなくなった、ということである。例えば、本というのは一部の例外を除いてあっという間に絶版になってしまうが、本がKindle化されていればそれは無くならない。その本を読みたければいつでもダウンロードして読むことができる。 これはコンテンツ産業にとってはゆゆしき事態に違いない。思うに、いままでのコンテンツ産業というのはかなりの部分、物欲によってド