明日の書評会の資料として書いた、前著Levinas phenomenologueおよび近刊のHyperbole - Pour une psychopathologie lévinassienneのまとめです。 Lévinas phénoménologue (『現象学者レヴィナス』), J. Millon, 2002 レヴィナスの思想は倫理学ではないという主張が出発点です。根拠は二つでした。 1.レヴィナスの全てのテキストは、現象学として分析できる。 ・レヴィナスは1930年代から80年代にいたるまで、フッサールに関する論考を執筆していた。とりわけ後期の議論に、フッサール研究としても新しい知見がある。 ・(レヴィナス自身は、純粋哲学の論考から区別していた)ユダヤ教関連の論考も「歴史の現象学」として読める。 2.倫理以外の局面でも、独創性のある思想を呈示している。 ・とくに世界論、歴史論に独自