「谷川民俗学」と呼ばれる独自の研究を打ち立てた民俗学者で文化功労者の谷川健一(たにがわ・けんいち)さんが24日、死去した。92歳。熊本県出身。 東大文学部卒。柳田国男、折口信夫の影響を受けながら、精力的な現地調査を踏まえた民俗学研究を独学で続けた。 歴史の負の情念に着目し、霊魂や死生をめぐる観念の解明を軸に、独自の視点から著作活動を展開した。今も残る地名の重要性を唱えて日本地名研究所を設立。業績に対して南方熊楠賞を受賞した。 ほかの著書に「南島文学発生論」「日本の地名」「白鳥伝説」など。近畿大教授を務めた。詩人の谷川雁さんは弟。