このブログでもこれまで時々ソニーの経営について書いてきたが、ハコフグマン氏のブログで同世代の元ソニー技術者による告発本『技術空洞 Lost Technical Capabilities』が紹介されていたので、さっそく入手して読んでみた。 んでもって、自分が以前の取材などでも得ていた印象とほとんど同じだったので、がっかりといえばがっかり、納得といえば納得。今さらそれ以上書くこともないかなあと思いつつ、とはいえいろいろと思うところもある本だったので、書評でも書こうかと気を取り直してメモ作ったり他に書評しているブログを探したりして徘徊していたら、僕の思ったことと同じことをこれ以上ないくらいに簡潔にまとめたブログを見つけてしまい、書評を書く気が完全に失せた。そこで、今回はこの本を読んで思い浮かんだことについて書いてみたい。 著者の宮崎氏は、こちらのブログでもまとめられているように、技術系ソニー社員
ソニー本ってのは腐るほど出ていて、ビジネス書にソニーの名前をつけさえすれば、そこそこ売れるという浅はかなマーケティングがあるんだろうなーなんて日ごろ思っているのですが、ついつい釣られて買ってしまう浅はかな僕です(泣 暴露本ってのは、往々にして著者は評論家になってしまって自分の事を棚上げにして論を展開しがちなのですが、それでも元内部者だけに問題点はそれなりに的確についていたりします。 著者の宮崎琢磨氏は文系入社でVAIOの企画部門に配属されているのですが、技術者と共同で開発に携わっていたようで、主に技術者の視点からソニー批判を繰り広げています。 で、この宮崎琢磨氏の著書と、竹中真司氏の「ソニー本社六階」を読み比べると、技術者から見た視点と、事務方から見た視点を対比できて面白いです。 宮崎氏は、VAIOの開発現場に1998年に配属になり、それから2~3年は技術者が自分の理想を世の中に問うような
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