ファー・イースト(極東)の車両メーカーがシェア首位に──。年間20兆円規模に達する世界の鉄道市場。その約5割を占める主戦場の欧州で異変が起きている。 震源地は英国。鉄道発祥の地であるこの市場で、日立製作所が2019年までに車両の受注シェアでトップに立つことが明らかになった。見込みも含めると、日立は2014~19年の間で新たに1273両を受注。競合の独シーメンス(1140両)や加ボンバルディア(943両)を抜き、英国で最も多い受注車両を抱えるメーカーに躍り出る。もちろん、日本初の快挙だ。 その立役者が、2014年4月に日立の鉄道事業の日立レールヨーロッパのアリステア・ドーマーCEO(最高経営責任者)。2003年に入社し、英国鉄道ビジネスの現場の最前線に立って指揮してきた。2012年には、総事業費57億ポンド(当時の為替レートで約7000億円)の英都市間高速鉄道計画(IEP)を受注し、欧州鉄道