去る10月10日から17日まで、8日間に渡ってドキュメンタリー映画の祭典<山形国際ドキュメンタリー映画祭2019>(※以下、ヤマガタ)が開催された。最新のドキュメンタリー映画が集結する中、扱うテーマで目立ったのは「ナショナリズム」「移民・難民」「性暴力」の問題。この3つの点から本映画祭をレポートする。 実に多種多様なドキュメンタリー映画に触れることができるヤマガタでは、毎回痛感することがある。それは、「世界の現在地点を知る」ということにほかならない。いま世界で何が起きて、人々はどんな問題に直面しているのか?ニュース性と時代性が映り込む優れたドキュメンタリー映画は、「世界のいま」を濃厚に映し出し、問題の本質に切り込み、社会へ提起する。 1番に感じた、深刻化する社会の右傾化と台頭するナショナリズム 今回の映画祭で、まず1番に感じたのは、深刻化する社会の右傾化と台頭するナショナリズム。そこに起因