福島県が東京電力福島第一原発事故の直後に専門家に委嘱した「放射線健康リスク管理アドバイザー」の報酬額が、市民団体による県への情報公開請求で非開示とされた。自治体が委嘱した専門家への報酬を、非公開の「個人に関する情報」とすることは適切なのか。市民団体側は「(専門家の)講演は社会的影響が非常に強かった。公金を使っており、公にすべきだ」と訴えている。(片山夏子) 請求したのは、原発事故後の広報事業の実態調査をしている市民団体の野池元基さん(63)=長野市=ら。委嘱理由などの情報開示を求めたが、委嘱状に記載がある報酬額が非開示となり、今年1月にこれを不服として県情報公開審査会に審査を申し立てた。