TomTomによるTeleAtlas買収は、ついにここまできたか、と思わせてくれた。何がここまでなのか、というと、市場の主導権はコンテンツプロバイダやソフトウェアツールベンダにあるのではなく、サービスプロバイダに完全に移行したのだ、ということである。 最近では少なくなったが、位置情報関連のサービスを手がけたいと思ったら、まず地図会社に相談する、ということが、特に日本国内では頻繁にあった。でもこれはちょっと考えれば不思議な話である。地図会社は地図という素材を作っているが、だからといって、コンシューマや法人向けの位置情報関連のサービスに明るいとは、必ずしもいえない。鉄鋼メーカーが鉄を使って作られている自動車の利用者について詳しく知らないのと似ている。 どの産業でもそうだが、最初は素材や基幹サービスを提供する企業が大きな役割を演じる。インターネットの勃興期にはIIJなどのISPがそれを演じたが、