国内の出版社20社が電子出版ビジネスの市場拡大をサポートするための新会社「出版デジタル機構」の設立に合意するなど、電子書籍に関する出版社の取り組みが進む中、業界に冷や水を欠けるような事件が起こった。 この問題は、中堅の出版社である三一書房の旧経営者が、著者の許諾を得ずに230点以上の作品を電子書籍の取次会社「デジブックジャパン」に提供、複数の電子書籍ストアで販売され、売り上げも立っていたというもの。 出版業界では、昨年辺りから電子書籍化に関する項目を新たに盛り込む形で著者と契約書を交わすようになってきているが、同社の場合は古参の著者も多く、そうした項目が存在しない契約のまま更新されていたようだ。取次のデジブックジャパンも権利関係の確認で甘い部分があったと言わざるを得ないが、権利関係をクリアにすることなく電子書籍販売を勝手に委託した旧経営者の行為は良識を疑うものだ。 三一書房は1945年創業
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