WWW版 化学プロセス集成 アンモニア アンモニア合成は人類繁栄の源 人間の体を維持するためにはタンパク質を摂取しつづける必要がある。タンパク質を構成するアミノ酸は窒素の化合物であるが、この有機物としての窒素および硝酸塩を空気中の窒素から作ることを「窒素の固定化」という。これはそう容易なことではなく、自然界ではマメ科の根粒菌(共生菌)などの少数の微生物にしかできない。植物は微生物が生産した硝酸塩やアンモニウム塩をもとにタンパク質を合成する。 近代になり農作物の増収の必要が出てきたため、肥料というかたちで有機窒素を人工的に補うことが農業に不可欠となった。欧米では19世紀にはペルーのグアノやチリ硝石(NaNO3)が使われたが、火薬の需要もあり、人工的な窒素固定が望まれた。 これに化学者およびエンジニアが応えたのがハーバー・ボッシュ法であった。人工合成されたアンモニアは,硫安や尿素肥料として生物