ウクライナが戦っている戦争は、「正しい」。私たちは彼らを助けるべきだろう。だが、どこに線引きをして支援すればいいのか。プーチン大統領によって、世界は再び「戦争の時代」に突入しようとしている。著書『「正しい戦争」は本当にあるのか』が約20年ぶりに復刊された、藤原帰一・東京大学客員教授が警告する。 ロシアが核を使うとき ロシアとウクライナの戦争は、「出口の見えない戦争」になりつつあります。核兵器を持っている大国の政治体制が崩壊するまで続く戦争なんて、私たちはこれまで見たことがなかった。 プーチン大統領にとって、この戦争に負けることは政権崩壊の危機につながります。ということは、プーチン体制が続く限り、戦争をやめることができない。しかし、NATO(北大西洋条約機構)の手厚い支援を受けて戦うウクライナに対して、ロシアが勝利をおさめることは難しい。 今後、ロシアが巻き返せるとしたら、本土が攻撃され、ロ