中国、タジキスタン、パキスタンが国境を接するパミールの標高の高い台地を横断するヤクの群れ。(PHOTOGRAPH BY MATTHIEU PALEY) 中央アジアのパミール高原で今、従来のカレンダーが機能しなくなっている。 この地域に住む人々は昔から、雪解けやその年最初の渡り鳥の飛来など、季節の移り変わりをカレンダーとして使ってきた。いわゆる「自然暦」である。ところが近年の気候変動の影響で、その暦が役に立たなくなりつつある。 異常気象や季節外れの氷河融解、湖の氾濫、動物や渡り鳥の行動の変化など、これまでとは違う自然現象が次々に起こり、伝統的な暦に著しいずれが生じた結果、ほとんどの村人たちは暦を使わなくなってしまった。手掛かりを失った人々は、農作業や伝統行事の計画が立てられなくなり、困惑している。(参考記事:「絶滅危惧種ユキヒョウを脅かす気候変動と遊牧民」) そこで米コーネル大学のカリム・ア
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