2019年末に中国で初の症例が確認された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。ウイルスは瞬く間に地球上に広がっていき、パンデミック(世界的大流行)を引き起こした。実は、人間と感染症の付き合いは非常に長い。過去にも地球環境や人々の行動の変化に伴い、その時代を特徴づけるような感染症が流行した。そして、人間はその都度、大きな社会構造の変化に適応してきた。これからの時代、私たちはウイルスにどのように向き合えば良いのだろうか。著書『感染症の世界史』で、今回の大流行を警告したとも言われる環境ジャーナリストの石弘之さんに、感染症の歴史から見たウイルスと人間の関係について聞いた。 ウイルスとは何か - ずっと人間と共存 そもそも、ウイルスとは何だろう。大きさでいえば1万分の1ミリくらい。大気中でも、砂漠のど真ん中や深海底でも、ウイルスはどこでも見つかる。自然界は、ウイルスに満ちあふれている。石さん