[1]社会現象となった『モルカー』と異色の長編『JUNK HEAD』 叶精二 映像研究家、亜細亜大学・大正大学・女子美術大学・東京造形大学・東京工学院講師 日本が「アニメ大国」と語られるようになって久しい。日本の「アニメ」は、人物を線で括って塗りつぶし、写実的平面画や3D-CGの空間で躍動させる「セルルックアニメーション」を指すことが圧倒的に多い。これまで「ストップモーション(コマ撮り)・アニメーション」が注目される機会は極めて少なかった。 「ストップモーション」とは、パペット(人形)や無機物などの立体、またはレリーフや板などの半立体のキャラクターをミニチュアセットや背景画等に設置し、1コマずつ撮影して制作されたアニメーションを指す。従来はCMやミュージッククリップ、NHK・ Eテレのシリーズ枠『プチプチ・アニメ』などが活躍の場であった。ほとんどが短編で、自主制作の意欲作が国際映画祭で受賞