パナソニック インダストリーは11月11日、開発中の「人工嗅覚システム」をテーマにしたプレスセミナーを開催した。メタバースの本格普及を控え、五感の中でデジタル化が進んでいないフロンティア領域とされる、嗅覚に取り組んでいるという。 嗅覚のデジタル化が進んでいなかった背景として、においの特質性が上げられる。「におい物質の種類が膨大で、人の呼気にはにおい成分が1000種類以上存在する。またにおいを構成する物質濃度が非常に薄く、検知しづらい」と、パナソニック インダストリー 技術本部センシングソリューション開発センターソサエティソリューション開発2部主任技師の中尾厚夫氏は説明する。 パナソニック インダストリーでは、5月に独自技術で開発したセンサを用い、東京大学との共同研究によって、呼気による個人認証に成功。16種類の高分子材料と導電性カーボンナノ粒子で構成される人工嗅覚センサを介して呼気センシン