「風に立つライオン」について話す歌手のさだまさしさん=東京都千代田区、畔柳ユキ氏撮影歌手のさだまさしさん=東京都千代田区、畔柳ユキ氏撮影歌手のさだまさしさん=東京都千代田区、畔柳ユキ氏撮影 4月10日、さいたまスーパーアリーナ。南こうせつ、谷村新司、平原綾香、ゆず、ゴスペラーズ……。日本の音楽シーンを彩るミュージシャンが次々と登場し、1人のシンガー・ソングライターを囲んだ。さだまさし。この日、60歳の誕生日。それを祝うコンサートだった。 超満員の会場内が異様な熱気で包まれた終盤、それまでゲストと共に歌ってきた主役は、1人で舞台に立った。歌い始めたのは「風に立つライオン」。静まりかえる会場で、私も歌詞に耳を傾けた。 ――やはり僕たちの国は残念だけれど何か 大切な処(ところ)で道を間違えたようですね―― 私はいま32歳。さだまさしファン歴23年。記者になって10年、取材の合間に時折、この