能條純一の「翔丸」は、暴力的ないじめを受けていた中学生の翔丸が、ある日、自分の頬をカッターナイフで切ることで何かに目覚め、強烈なカリスマ性を発揮する人間として、人心を掌握していく漫画です。 「今なら間に合う 翔丸組に入るんだ」 この言葉が全編を通して拡大し続け、最初は学校のクラスだったものが、学校全体、そしてヤクザ、果ては日本を牛耳る権力者までを翔丸組に入れようとします。翔丸にカッターで傷をつけられ、翔丸組に入ることを受け入れた人は、まるで魔法にでもかかったかのように翔丸組の一員であることを素晴らしいことだと語るようになります。 僕がこの漫画を最初に読んだのは高校生の頃で、当時の印象としては「よく分からない」でした。そして、今読み返しても感想は「よく分からない」です。でも、ひとつだけ分かるのは、この漫画は強烈に面白いということです。 最後まで読んでも、翔丸組が何の目的を持っているのかは分か