イーベイと「ネットワーク外部性」 オークションサイトに見る「一人勝ち」の構図 第3回 ネット・エコノミー解体新書 2006年8月24日 木曜日 磯崎 哲也 インターネットが商用化された1990年代後半、インターネットの巨大なポテンシャルに気付いた人たちの中には、「インターネットは、低コストで情報が瞬時に世界中に行き渡るから、誰でもビジネスを始めることができ、情報格差や貧富の差がなくなる」と主張する人が多かった。米マイクロソフトのビル・ゲイツ氏も、「フリクション(摩擦)ゼロの資本主義」が来ると著書「ビル・ゲイツ未来を語る」に記している。 それから十年余りが過ぎた今振り返ってみると、確かに、10年前に比べて情報は極めてオープンにはなった。しかし、世界を見渡してみて、社会やビジネスにおける「平等性」が高まったかというと、まったく逆ではないだろうか。ヤフー、グーグル、イーベイといった企業は、「一人