前回の「暑さの7割寒さの6割は窓が原因なのに、日本の窓は中国の最低基準以下」では、日本の窓の性能について、世界基準からどのくらい遅れているのかを述べてきた。今回は、日本の窓事情についてもう少し考えてみたい。 窓は枠とガラスで構成されている。このうちガラスの方はそれほど諸外国に比べて劣っているわけではない。ペアガラス(複層=二重)やLow-Eペアガラス(低放射)といったガラスは、かなり一般化してきている。 が、問題は枠にある。断熱性能が低い窓枠は、あたかも隙間風が吹き込むかのようだ。日本のサッシの大半は、枠がアルミでできている。理由はアルミが加工しやすい、工場のラインがアルミ向けであるといったことにある。しかし物理的に考えれば、枠にアルミを使うことはあり得ない。断熱性能の目安となる熱伝導率で各材料を比較してみれば明らかである。 熱伝導率は、アルミかそうでないかで約1000倍も異なる。だから世