(CNN) 本人が後に大変悔やんだことだが、当時米国務長官だったコリン・パウエル氏は、ジョージ・W・ブッシュ政権の中心人物となってイラク戦争の開始を支持した。同氏が18日に84歳で死去して以降、その事実は追悼記事やオピニオン欄の中で指摘された。しかし、あの時代に起きた出来事についてはより綿密な検証を行う価値がある。 パウエル氏が国連安全保障理事会で発表に臨んだのは2003年2月5日。米軍がイラクに侵攻する6週間前だった。そこではブッシュ大統領の望む通りの主張が展開されたが、その内容は米軍によるイラクの占領の後で瓦解(がかい)した。同国の独裁者、サダム・フセインは大量破壊計画のための武器を持っておらず、国際テロ組織アルカイダと同盟関係にもなかったことが明らかになったためだ。いずれもパウエル氏の国連での主張とは食い違っていた。 湾岸戦争の英雄であるパウエル氏はブッシュ政権で広く尊敬を集める人物