脳の機能の一部をコンピュータが果たしてくれる今日び、教養がなくてもGoogleさえあれば、知りたいことは簡単に手に入る。ワイシャツの語源も。小鳥遊さんの呼び方も("たかなし"さん)。 けれども世間を渡っていくには、教養はやはり武器になる。会食の席で重役に「例の企画、○○課長では役不足と思わないかね」などと聞かれたとき、テーブルの下に忍ばせたPDAを覗けますか?(「役不足」は褒め言葉) 『やりなおし教養講座』は、教養という言葉が軽視されて久しい昨今、改めて教養を持つことの大切さを語った本である。著者の村上陽一郎は東大教養学部を卒業し、現職はリベラルアーツの孤城、国際基督教大学の大学院教授。まさに教養人を地で行くような人物だ。『安全学』などの著書からもわかるように、学際分野での著述も目立つ。 知識とは異なる、もうひとつの「教養」とは 村上氏は教養の重要さを、「知識」という言葉を用いてこう述べる
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