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2012年8月1日のブックマーク (5件)

  • 「68年」を「異化」するために――『津村喬精選評論集』を読む - 綿野恵太@edoyaneko800

    近年公開されたワン・ビンの『無言歌』においては、中国の強制収容所が描かれ、毛沢東に裏切られた人々の壮絶な生が映し出されていた。もはやわれわれはかつてのように毛沢東に熱狂することはできないように思える。革命の理想として語られた「文化大革命」もまた、そうであろう。このような現在において、津村喬を読むことはどのような意味を持ちうるのか。もちろん、津村は「文化大革命」に熱狂したひとりであったが、しかしそこに硬直した毛沢東崇拝は見受けられない。 津村喬は「文化大革命」におけるある印象的な光景を書き付けている。 一時期には数千人の紅衛兵が夜毎にあつまって来て、毛沢東バッジ――わたしが持ち帰っただけで実に百種近い――の交換を媒介に、白昼の、あるいは書かれたもののレベルでの排他的な党派性をこえて、情報交換したのである。(「複製技術時代の思想」) ここに津村の方法の核心があるように思われる。つまり、毛沢東を

    「68年」を「異化」するために――『津村喬精選評論集』を読む - 綿野恵太@edoyaneko800
  • 綿野恵太@edoyaneko800

    綿野恵太@edoyaneko800

  • 星継駅擾乱譚 (70) - オネミリエ

    絵画っていうのは空間も時間も自由につなげられる空間芸術ですねという意味において、絵画的というか換喩的な楽しさを味わえる作品だった。 冷静に考えるとどこかで見たことがあるような設定や展開をつなぎ合わせたような話であるのに、読み進めているときは興味がそがれたり飽きを感じたりすることがまったくといっていいほどなかった。いうまでもなく、それを料理する文体が引き込む作品世界に心地よく沈み、感覚が絶えず刺激され続けていたからだ。霞外籠逗留記をプレイしたときには終始エロゲーとしての違和感から逃れられなかったものだが、今ではすっかりライターさんの語りを受け入れてしまっている。言葉の圧倒的な奇跡はなくても、変幻自在で細やかな織物は見ていて楽しいし、寛いだ気分になる。 あと、毎度繰り返しているようだが、このライターさんの嗜好がかなり信頼できる。「カラマーゾフの兄弟」(ポルノ小説)で自慰にふける根暗処女とかどん

    星継駅擾乱譚 (70) - オネミリエ
  • 司法は社会秩序を守らなくてはならないのか - tukinoha’s blog

    大阪市平野区の自宅で当時46歳の姉を刺殺したとして、殺人罪に問われた無職大東一広被告(42)の裁判員裁判で、大阪地裁は30日、求刑の懲役16年を上回る懲役20年の判決を言い渡した。 判決理由で河原俊也裁判長は、約30年間引きこもり状態だった被告の犯行に先天的な広汎性発達障害の一種、アスペルガー症候群の影響があったと認定。その上で「家族が同居を望んでいないため社会の受け皿がなく、再犯の可能性が心配される。許される限り刑務所に収容することが社会秩序の維持にも役立つ」と量刑理由を説明した。 ――「姉殺害に求刑超え懲役20年判決 発達障害で「社会秩序のため」」『47news』2012年7月30日http://www.47news.jp/CN/201207/CN2012073001002297.html―― このニュースを読んで思い出したことを少し。 犯罪人類学という、いまやほとんど忘れ去られた、法

    司法は社会秩序を守らなくてはならないのか - tukinoha’s blog
  • 「ダークナイト・ライジング」 感想 1/2 - 四分六三昧

    「ダークナイトライジング」見に行きました。岸和田IMAXにて。 大阪の南側の、IC降りてすぐのところに駐車場あって、地元からIMAXシアターが近いところにできたのがまず喜ばしいっすよね。 シートも広いし、まあ、振動シートはバックサラウンドの音がちょっと微妙なんだけど、前面で音を浴びるようなさすがの音響は素晴らしかったです。 映像は特に言うことないです。序盤からぐいぐい高解像度のキラキラしたルックで画面全体で映画を見る喜びを味わせてもらえる。 カメラの動きも、IMAX撮影の嚆矢となった前作「ダークナイト」だと奥へ奥へと構造物にフォーカスしていくような縦向きの動きが多かったように感じるが、今回は水平軸の動きもあって、目が豊かになるし。 なんにせよ、今までみたく、わざわざ箕面行ったりすることなくIMAX見れるのは良いことだなーとか思いつつ。 ここから先は壮絶にネタバレです、と前置きしつつ。 ●前

    「ダークナイト・ライジング」 感想 1/2 - 四分六三昧